プロジェクト、プログラム、ポートフォリオマネジメントと定常業務マネジメントの違い

プロジェクト、プログラム、ポートフォリオの関係

まず、組織の大きなビジネス戦略に対して、どのような事業の柱を持つかという視点でポートフォリオを作る。各事業の柱=プログラムに対して、各プログラムの目的を達成するためにプロジェクトを立ち上げていく。ポートフォリオマネージャーは適切なプログラムの立案・管理する役割があり、プログラムマネージャーはプログラムの遂行、すなわちプログラムの目的を達成するために必要なプロジェクトの立案・管理、プロジェクトマネージャーはプロジェクトそのものの遂行・管理に責任を持つ。各マネージャーは組織内の人員や資源を有効に配分してポートフォリオ、プログラム、プロジェクトを円滑に遂行できるように感がていかなければならない。

プログラムマネジメント 衛星の打ち上げを考える

例えば、以下の図のように衛星の打ち上げの場合、衛星地上局の建設・衛星の設計・製作、打ち上げ、システム立ち上げの3つのプロジェクトからなる1つのプログラムとなる。プログラムマネージャーは必要なプロジェクトを立ち上げ、各プロジェクトに対してプロジェクトマネージャーがプロジェクトの遂行・管理を行う。プログラムマネジメントとはこのように各プロジェクトに適切に資源を分配し状況を管理することである。

ポートフォリオマネジメント

ポートフォリオマネジメントとは、組織の大戦略に基づいて企業の経営資源(お金や人員)を各プログラムに適切に振り分けていくことである。ポートフォリオマネジメントで注意すべき点は以下である。

  • 組織の適切な投資判断を導くこと
  • ポートフォリオを達成するための適切なプログラムとプロジェクトを考えること
  • 透明な意思決定を行うこと
  • 資源分配に優先順位をつけること
  • 組織全体のリスクの管理を行うこと

例えば、ある企業がポートフォリオにインフラ分野を追加したいと考えた場合、石油、ガス、道路、鉄道、空港等のインフラの各分野に対してプログラムを組む。各プログラム(分野)内で個別のプロジェクトを立ち上げ遂行していく。ポートフォリオに対して新たなプログラムを立ち上げることは、莫大な資金や人的資源が必要になり、会社の営業に大きな影響を与えるため、準備や意思決定の過程では透明性が必要であり、生じるリスクも適切に管理しなければならない。

定常業務マネジメント

定常業務とはいわゆるルーチンワークのことで、プロジェクトマネジメントの範囲外にある一般業務のことをいう。

定常業務とプロジェクトマネジメントのかかわり Organization Project Management (OPM)

プロジェクトによって成果物が生み出され、プロジェクトはそこで終わる。この生み出された成果物は既存の定常業務に落とし込んでいく必要がある。プロジェクトの成果物を定常業務に落とし込む際に定常業務とプロジェクトマネジメントの接点が生じる。一例として、以下がある。

  • プロジェクトによって生産ラインを拡張したのち、それを運用開始した後は定常業務となる。
  • プロジェクトによって新規データ処理システムを開発・導入した後は、定常業務にて運用になる。
  • プロジェクトによって工場の設備を拡張した後は、定常業務にて運用になる。

このように、ポートフォリオ、プログラム、プロジェクトを立ち上げ、最終的に定常業務に落とし込んでいくまでが一連のつながりとなる。これらを総合的に管理することをOrganization Project Management (OPM)と呼ぶ。

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