Liebherr社(リープヘル)とは
Liebherrはドイツのクレーンや重機関連のグループです。オールテレーン型のクレーン(All Terrain Crane)からクローラー型クレーン(Crawler Crane)、タワークレーン(Tower Crane)、船上や造船所で見かけるペデスタルクレーン(Pedestal Crane)までさまざまな種類のクレーンや重機を製作し世界に納入しています。横浜にも営業拠点を持っており、日本国内の建設会社や重量輸送業者もリープヘル社製のクレーンを所有していたりもします。
今回は、Liebherr社製クローラークレーンの組み立て動画を解説します。
クローラークレーンの特徴
クローラークレーンとは、無限軌道(キャタピラ)によって移動する移動式クレーンの一種です。日本でよく聞くキャタピラはキャタピラー社の登録商標なので、日本語だと無限軌道や履帯、クローラーと呼ぶのが正式なようです。
クローラークレーンは、クローラーによって動くため荷重が分散され、地面に駆動輪がめり込みにくい特徴があります。また、クローラーは戦車や農機にも使われることがありますが、これも悪路走行の際にタイヤだと走行が困難な場合でも移動できるようにと考えられたものです。
建設現場でのクローラークレーンの使用
クローラークレーンはラフタークレーンやオールテレーンクレーンと比べるとブームがごつく、車体重量も重いため同じクラスのクレーンでも、吊り上げられる荷重が大きいというメリットがあります。
一方、クローラークレーンはキャタピラ駆動のため移動速度が遅く、ブームの収容ができないため、現地で組み立てて使用する必要がある点は注が必要です。
クローラークレーンの組み立て Liebherr – LR 1500
クレーンの心臓部分をまずはトレーラーで運搬してきます。トレーラーから降ろす際は本体に装備された油圧ジャッキで自分自身を持ち上げられるため、別のクレーンの助けもなしで荷下ろしができます。
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スマートクレーンと書いてあるだけあって、リモートコントローラーでキャビンの位置を動かせるようになっています。
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さすがに上部に乗せるワイヤ巻き上げドラムの組み付いたSA-Frameは別の補助クレーンで取り付けます。ただ、そこまで重くないユニットなので、組み立てに使う補助クレーンのキャパシティーは抑えられます。
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SA-Frameの連結のためのピンの挿入は備え付けのジャッキで簡単に組付けられます。
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SA-Frameを反転させて先っぽにシャックルをつけます。
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運ばれてきたクローラはこのSA-Frameを使って自分で持ち上げられるようになっています。運転キャビンには人は乗っていないので、これもリモートコントローラーで操作できるのだと思います。
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Central Ballasetと呼ばれる、クレーンの中心に備えつくカウンターウェイトは補助クレーンによって取り付けられます。やはり、組み立てに際して一部は補助クレーンの助けが必要のようです。
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反転させてクレーン代わりに使っていたSA-Frameをもとに戻し、メインウィンチと補助ウィンチを組付けます。
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次にクレーン後部に乗るBallaset (カウンターウェイト)を載せていきます。カウンターウェイトには穴が開いており、治具を使って安全に吊り上げから積載までできるように考えられています。
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途中、急にコーヒーガールが現れ、コーヒーを飲みだしました。途中コーヒーを飲むくらいリラックスして組み立てられる余裕があるという点が売りのようです。
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本体部分が出来上がったら、次はブームを組んでいきます。さすがにブームを組む際は補助クレーンは必須です。このブームはメインブームではなく、お尻のほうに出ているつっかえ棒のほうです。
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ブームを連結したら、ウィンチのワイヤを通していきます。
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次に、ブームを引っ張り起こすためにSA-Frameと連結します。
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次に、メインブームを組んでいきます。メインブームを組む際は、ブーム鉄骨をマトリョーシカのように収納でいるため、一回のつり上げで2セクション分を設置でき、つり上げ回数を減らすことができます。
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あとはおしりのブームと連結し、メインブームを引き上げます。
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次に、外部ウェイトの取り付けまで紹介されています。外部ウェイトはクレーンのキャパシティ限界まで引き出す際に取り付けます。旋回半径が大きくなってしまいますが、代わりにつり上げ能力が大幅に向上します。
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外部ウェイトを乗せる構造として、トレイタイプのほかにワゴンタイプがあります。
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ワゴンタイプの場合、旋回や移動の際も外部ウェイトをばらす必要がありません。備え付けの油圧ジャッキによってワゴンが持ち上げられ、タイヤの向きを変えることでクローラークレーンの移動に追随させられます。
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このように、外部ウェイト付きで柔軟にクローラを吊り移動させられます。トレイタイプの外部ウェイトの場合、ある程度の荷重のつり荷を吊り上げるまでは外部ウェイトは接地した状態のため、一度設置した個所からの移動の柔軟性に劣ります。一方、ワゴンタイプの場合、吊り荷重量に依らず外部ウェイトごと移動が可能です。ただし、ワゴンタイプの場合タイヤの移動範囲すべて整地が必要になってしまうため、注意が必要です。
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最後に、ジブブームの取り付けです。これも、既存のメインブームにガイドブームと自部ブームを接続しウィンチワイヤを通すだけです。
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まとめ
Liebherr社製のクローラークレーンの紹介動画は以下に簡単で素早く組み立てられるかという点にフォーカスされていました。理由としては、クレーンの組み立てはプロジェクトの遂行において無視できないポイントになるからです。
前回のMammoet社のリングクレーン紹介でも述べましたが、大型クレーンになればなるほど手配し、レンタルする費用が非常に大きくなります。一日でもレンタル期間を短くし、プロジェクトへのスケジュールとコスト短縮を図るためには、クレーンが簡単に組み立てられるに越したことはありません。今後もこのような技術の進歩や工夫を注視していきたいところです。
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