プロジェクトマネジメント・ビジネス文書
プロジェクトマネジメント・ビジネス文書はプロジェクトの継続・開始可否の判断に用いられる文書のこと。プロジェクト・ビジネス文書に基づいてプロジェクトが成り立っているので、プロジェクトマネージャーの責務として、プロジェクト・ビジネス文書に適応するような適切なプロジェクトマネジメント手法を取らなければならない。プロジェクト・ビジネス文書に記載しているようなプロジェクトの遂行が困難になった場合、プロジェクトは継続不可とみなされ、中止になる。代表的なプロジェクト・ビジネス文書は以下の二つである。
プロジェクト・ビジネス・ケース
プロジェクトに対し、実現可能性分析して書化したもの。実現可能性を分析するにあたり、経済的に成り立つか、マーケット環境はどうか等を分析する。この文書をもとに、プロジェクトを進めるかどうかを決める。
プロジェクト・ベネフィット・マネジメント計画書
プロジェクトの利益を最大限、持続的に創出するためのプロセスを定義した文書。
プロジェクト・ビジネス・ケースプロジェクト・ベネフィット・マネジメント計画書は関連しあっている。プロジェクトライフサイクルを通して繰り返し参照され、プロジェクトが予期した通りに進み、利益を生み出しているかを確認する。
プロジェクト・ビジネス・ケースはプロジェクトの開始を決めるような、いわば会社の大方針に基づくもののため、一般的にプロジェクトマネージャーよりも上位の権限を持つ、プロジェクトスポンサーレベルがプロジェクトビジネスケースの作成と管理責任を持つ。
プロジェクトマネージャーは、現場での実際のプロジェクト遂行指揮をとる立場となるため、プロジェクトビジネスケース、プロジェクトマネジメント計画書、プロジェクト憲章、およびプロジェクトベネフィットマネジメント計画書等でそれぞれ規定されているプロジェクトの目的や方向性に関し細かい部分のすり合わせを行い、整合性のある文書にしていく責任を持つ。組織によってはビジネスケースおよびベネフィットマネジメント計画書はプログラムレベルで管理されることがある。プロジェクト文章を作っていく段階で、組織そのもの方針とプロジェクトの方向性がずれていかないように、プログラムマネージャーレベルとも協働してプロジェクの計画・遂行・監督していく必要がある。
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