プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントの定義

プロジェクトマネジメントとは、横文字なので新しい概念のように感じるが実は古くから使われてきた手法だ。例えば、オリンピックや人類月面着陸のような巨大な事業を遂行するには、プロジェクトマネジメントの考え方が必ず必要になる。

より身近な例でいえばサークルの卒業旅行や、サークルの飲み会だ。これもある種のプロジェクトマネジメント的手法が知らず知らずのうちに適用されている一例である。あなたが幹事になり、サークルで卒業旅行に行く計画をするとき、

  • 参加者の確定
  • 行き先の確定
  • 料金の確定
  • 旅行の実行
  • 解散・清算

のような各プロセスを遂行している。これは紛れもなく幹事がプロジェクトマネージャーとなって卒業旅行プロジェクトの遂行とそのマネジメント(管理)を行っていることに他ならない。このように、プロジェクトマネジメントとはある物事をプロセス(項目)ごとに分けて、順次管理し進めていく行為そのものであり、実は日常にあふれている。

プロジェクトマネジメントを学ぶということ

普段漠然とやっている”飲み会の幹事”のような行為に関し、ポイントを整理し要素ごと体系的に学習するということが、プロジェクトマネジメントを学ぶ、ということになる。プロジェクトマネジメントの手法は小さな日常の作業から巨大なプロジェクトまであらゆるものに適用できる。なお、PMBOK®はプロジェクトマネジメントに関し、業界を問わず一般的なプロジェクトに適用できるような表現で要素・ポイント別に網羅的に解説している辞書的な書物である。

プロジェクトマネジメント標準

プロジェクトマネジメントに対して、すでに規格として世界的な標準がある。ANSI(American National Standard Society Institute;米国規格協会)は、PMBOKをプロジェクトマネジメント標準として認めているため、PMBOKガイドの学習はある程度世界標準のプロジェクトマネジメントの手法を学習していると考えてよい。

専門用語

プロジェクトマネジメントにおいては専門用語が多数ある。専門用語は覚えるほかない。英語で覚えたほうがわかりやすかったりもする。

倫理・職務規定とプロジェクトマネジメント

困難な状況に直面すると、楽な方に流れてつい不誠実で公正さのない判断を下したり、行動をとってしまうことがあるのが人間の性である。一方で、特に巨大プロジェクトを取り仕切っているプロジェクトマネージャーの場合、安直な一つの不誠実な行為や公正さを欠く判断により、社会的に大きな影響を与えてしまうことがある。プロジェクトマネジメントとは、責任・尊重・公正・誠実の4つをプロジェクトマネジメントにおいて常に心にとどめておかなければならない。

これは日常でも同じことがいえる。先ほどの卒業旅行を例にとってみる。みんなで北海道にいこうと決めており、みな両親にも旅程を伝え、資金の援助を受けていた人もいた。とある仲良しの旅行参加者がちょっと料金が安くなるのでやっぱり沖縄にしようといってきた。リーダーのあなたはみんなの意見を聞かずに旅行先を沖縄にしたとしよう。確かに、”卒業旅行に行く”というプロジェクトは遂行できているかもしれないが、北海道に行くと思って資金援助をしていた両親や、北海道を楽しみにしていたほかの参加者はどう思うだろうか。このようにみんなの意見を集約せずに勝手に行き先を変えるのは誠実な卒業旅行計画の方法とは言えない。このような意思決定方法をとっていれば参加者間で軋轢が生まれ、きっと卒業旅行が成功することはないだろう。

実際のプロジェクト遂行ではこの事例のように複数人の意思が絡み合い、判断を迫られる状況がたくさん出現する。そのような状況でも投げ出すことなく責任をもって適切に意思決定をし、誠実・公正に物事を進めていかなければならないのがプロジェクトマネジメントの難しさであり、醍醐味でもある。

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