プロジェクトベネフィットマネジメント計画書とは

プロジェクトベネフィットマネジメント計画書

プロジェクトベネフィットマネジメント(Project Benefit Management)計画書とは、プロジェクトにどういうベネフィット=利益(お金以外も含めて)があり、そのベネフィットがどれくらいもたらされるかを記述したものである。

ここでいうベネフィットとは、行動や行為、提供する製品やサービスによってスポンサー組織や関連する受益者全員に提供される成果のことをいう。

ベネフィットマネジメント計画書は一般的に以下が記述される。

目標ベネフィット

プロジェクトで得られる有形、無形価値を記述する。

戦略の整合性

ベネフィットが組織の事業戦略にどうマッチするかを記述する。

ベネフィット実現のタイムフレーム

短期、長期ベネフィット、フェーズごとのベネフィット、継続的なベネフィット等、どれくらいの時間間隔で利益が得られそうかを記述する。

ベネフィットオーナー

誰が責任者となって実現したベネフィットを監視、記録、報告するかを記述する。

評価尺度

実現ベネフィットを示すための直接、間接指標を記述する

前提条件

ベネフィットが得られる条件を記述する。

リスク

ベネフィットを実現してく際のリスクを記述する。

ベネフィットマネジメント計画書はビジネスケースとニーズ評価のに用いられるデータと同様のデータに基づいて作られる。ビジネスケースによってプロジェクトの目的や必要性を明確化し、ベネフィットマネジメント計画書によってどれくらいのコストを払えばどれくらいの利益が得られるかという点を明確化する。プロジェクトビジネスケースと同一のデータでプロジェクトベネフィットマネジメント計画書を作成することで、プロジェクト全体を通してプロジェクト始動の目的から組織にもたらされる利益まで一貫性のある情報整理を行うことができる。

プロジェクトベネフィットマネジメント計画書を作成し参照してくという行為はプロジェクトを通して繰り返し行われるものである。プロジェクトベネフィットマネジメント計画書とはプロジェクトビジネスケースやプロジェクト憲章、プロジェクトマネジメント計画書といった関連するプロジェクト文書を補完するような役割を果たすものである。

これらの文書はプロジェクトの計画から遂行において基本的なものであるため、プロジェクトマネージャーという立場からは、プロジェクト憲章、プロジェクトマネジメント計画書、およびベネフィットネジメント計画書がプロジェクトライフサイクル全体を通して整合性がとれたものとなっているかを常に管理していく必要がある。

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