プロジェクトフェーズとは
フェーズ(Phase)とは、相、段階という意味がある。プロジェクトフェーズとは1つのプロジェクトライフライクルを論理的に各段階に分割したまとまりのことを言う。一つ以上の何かしらの成果物をもってそのフェーズが終了したとみなす。プロジェクトライフサイクルにおけるフェーズの表現・定義プロジェクトによって様々定義できるが、例えば以下のようにプロジェクトのフェーズを定義するのが一例である。
- 所要期間による区切り(1週間、1か月単位)
- 資源・リソースの要否のタイミング(人員導入、建物使用開始、装置の稼働)
- プロジェクトで規定されたある基準を達成(図書の承認、文書の完成等、成果物確認等)
各フェーズの定義例
上記のような方法でプロジェクトをフェーズごとに分けて、プロジェクトマネジメントの効率を向上させることができる。例えば、一般的なインフラ工事の場合は以下のようにフェーズを分割できる。
- FS (Feasibility Study; 実現可能性検討)
- FEED (Front End Engineering Design; 概念設計 )
- Estimation (見積もり)
- Engineering (設計)
- Procurement (設計)
- Construction (施工)
- Commissioning (試運転)
- Operation (運転)
このように各フェーズごとで一定の成果物を出し、その成果物に基づき次のフェーズの業務が開始される。それぞれのフェーズの中にもさらに作業グループごとにより詳細にフェーズをコントロールするとこともできる。このように管理手法はある種マトリョーシカやフラクタル構造のように大きな集合から小さな集合にまで一般的に適用できる。
プロジェクトフェーズを決める際のポイント
プロジェクトフェーズの決め方は業界や企業、プロジェクトごとに様々だが、以下のような点を意識してプロジェクトフェーズを定義していくのが一般的である。
- 経営層のニーズ
- プロジェクトの性質
- 業界や技術に特有のやり方
- 技術、エンジ、ビジネス等のプロジェクト要素
- マイルストーン(資金調達、支払い、プロジェクト継続可否判断点、マイルストーンレビュー等)
フェーズごとに分けることで管理することで、管理すべき対象が絞られるため、プロジェクトマネジメントしやすくなり、プロジェクトの成功により近づく。また、各フェーズごとにプロジェクトの出来を評価できるようになるため、プロジェクトが終わった際にも、フェーズごとに良し悪しを評価できるようになり、将来への知見を貯めることができる。
フェーズゲート フェーズとフェーズの境目
フェーズゲートとは各フェーズの境目のことである。フェーズゲートは、各フェーズでどれほどうまくいったかどうかを評価するタイミングとなる。フェーズゲートでプロジェクトの評価を行う際には、以下のような専門文書が使われる。各文書は別途詳細に解説する。
- プロジェクトビジネスケース
- プロジェクト憲章
- プロジェクトマネジメント計画書
- ベネフィットマネジメント計画書
プロジェクトは一度始めてしまったら中止・継続の判断が難しい。上記のプロジェクト文書をもとに、論理的かつ客観的に各フェーズゲートでは継続・中止の判断を行うことで、プロジェクトが何の根拠もなく中止されたり、だらだらと継続されたりしないようにする。フェーズゲートでは以下のような判断をすることになる。
- 次のフェーズに移行する
- 修正後、次のフェーズに移行する
- プロジェクトを終了する
- フェーズにとどまる
- フェーズを繰り返す
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