”プロジェクトマネジメント”とはプロジェクトを成功裏に終了させるために技術や知識、スキルを駆使することである。
プロジェクトマネジメントでできること
プロジェクトマネジメントはすべてのプロジェクトに適用できるプロジェクトマネジメントの能力を高めることで、
- ビジネスの目標達成
- 将来予測
- リスク対応
- 既存の人員や機材等の有効活用
- 失敗の原因特定
- プロジェクトの制約条件の影響管理(スコープの増加とコストスケジュールの増加関係)
- 状況・環境の変化への対応
などを効果的に行うことができる。
プロジェクトマネジメントの失敗=プロジェクトの失敗
一方、プロジェクトの遂行中に以下のような問題が起こった場合はプロジェクトマネジメントスキルが足りていない可能性が高い。
- 納期遅延(Delivery)
- コスト超過(Cost)
- 品質不良(Quality)
- 再作業
- プロジェクトの際限のない拡張
- 悪い評判が広がる
- ステークホルダー(顧客)の不満が広がる
- プロジェクト目標が達成できない
特に、品質;Quality, コスト;Cost, 納期;Deliveryの3つはQCDと呼ばれ、プロジェクトの成功・失敗に強く関係があるポイントであり、PMBOK®ガイドにもこれらを管理する考え方や手法として多くの技術が掲載されている。再作業(Re-work)とはいわゆる手戻り作業の発生のことで、うまくいっていないプロジェクトの場合は設計や仕様の変更、製作ミス等が多発し、何度も同じ工程をやり直さなければいけないことが多い。結果として予定されたスケジュールを守れず、ステークホルダーの評価が下がり、プロジェクトの成功が遠のいていく。プロジェクトの際限のない拡張とは、当初予定していたよりも大幅にやるべき作業が増えたり、方針が迷走して様々な作業を乱立させてしまうことである。これも計画がうまくいっていないプロジェクトの特徴で、やるべきこととやらなくてもよいことの区別がつかなくなり、結果としてプロジェクトの失敗につながる。
情勢の変化に対応するためにプロジェクトマネジメントを学ぶ
昨今、VUCA(Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ))の時代だといわれ、世界の情勢やプロジェクトの遂行に必要な人員・資源は常にダイナミックに変化し、それらに対応していかなければ企業は生き残れない。スマホやMAC BOOKを作っていたアップル社が電気自動車を作り始める時代である。プロジェクトマネジメントを学ぶことで、こういった情勢の変化に対して、どのように対応していけばよいのか、といことを少なからず学ぶことができる。
プロジェクトマネジメントを実際に行っていく際には、企業・組織の向かっていく方向性を意識しておく必要がある。大きな目標に向かって戦略的にプロジェクトを進めていくことで企業全体に対して以下の効果が期待できる。
- より効果的に1プロジェクトを企業の成長(目標)に結び付けられる
- 競争力を効果的に上げられる
- 企業環境に応じて適切に社内組織を管理・調整できる
こういったプロジェクトを遂行していく方針や戦略を決めるために、プロジェクトマネジメント計画書を作成する(PMBOK®4.2節参照)ことになるが、詳細は別記事で解説する。
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